生きるとはどういうことか〜岡本太郎に学ぶ生きる極意とは〜
人は「生きる意味ってなんだろうと」とふと考えてしまう生き物である。でも、いくら考えても生きる意味なんてないし、人生とは本来無目的なものなのだと思う。堀江貴文さんも著書「多動力」の中で「人生に目的なんてない。今を楽しむことがすべてなのだ。」と述べている。そのことは動物について考えてみればすぐにわかる。サバンナに生きるライオンは、日々生きていくため必死で狩りをして食いつないでいる。ライオンのオスは、自分の子孫を残すため、プライドを支配しているオスライオン(群れのリーダー)に命懸けで戦いを挑んでいく。ライオンのメスは、外敵から子供たちを守るため、一生懸命頑張っている。このように、野生の動物たちは必死で生きている。自分の生きる意味なんて考えたりはしない。動物にとって生きる意味とは、強いていうならば自分の種を残すことである。
古代哲学者のアリストテレスは、著書「政治学」の中で「動物たちのうち人間だけがロゴス(理性)を持つ」と述べている。つまり、動物は「本能」に従い生きているが、人間だけがそれにに加え「理性」を持って生きているのである。それゆえ、人間は「自分の生きる意味や目的」を考えてしまう。人間は、本能と理性のバランスの中で生きている。人間社会をより良く生きて行くために本能と理性どちらも必須ではあるが、どちららかが大きくなりすぎるとしばしば問題が発生する。例えば、本能が大きくなり過ぎた場合の悪い事例は「不倫」である。不倫は誰もが悪いことだとわかっていても、自分の種をできるだけたくさん残したいという本能に抗えずに犯す過ちと言える。一方、理性が大きくなりすぎた場合の悪い事例は「自殺」である。動物は自殺なんてしない。人間は理性があるがゆえに、あれこれいろいろと考えてしまいマイナス思考に陥り、自ら命を絶ってしまうのである。その他にも現代社会にはバランスが理性に偏りすぎているために生じている課題がたくさんあると思う。少子化の理由も個人的にはこれが原因だと考えている(詳細はまた別の回で述べる)。自殺までいかないにしても「生きていて楽しくない」、「なんとなく生きている気がしない」というのも本能と理性のバランスが崩れて理性に偏っていることが原因だと思う。
太陽の塔をデザインした芸術家の岡本太郎は、”芸術は爆発だ”と言った。これは当時、新語・流行語大賞をとった言葉である。岡本にとって芸術とは、自分の感性・生き様をストレートに表現する行為であり、生きることそのものである。爆発とは、自分の内に秘めた炎(ありのままの自分、自分の考え・やりたいこと)をきちんと現実世界で燃やす(表現したり・行動する)ことだと考えられる。岡本はこうも言っている。「安全な道に進むべきか、危険な道に進むべきか」、人生で進むべき道に迷ったら、ぐっと全身に力を込めて「危険な道」を選べ。運命を爆発させよと。現代人は、理性的に物事を考えすぎるため、食うのに困らない安全な道を選んでしまう。危険な道は、失敗するかもしれないし、食うのにも困るかもしれない道であるが、なぜか惹かれる。自分の内なる炎が「安全な道」に進めと言っているのなら、そもそも危険な道とどちらにしようかと迷うはずがない。それなのに迷うのは自分の内なる炎が「危険な道」に進めと言っている証拠である。
岡本太郎は、「芸術を爆発させる」という信念に従い、生涯を生きたぶっ飛んだ存在である。普通の人は、迷った時、毎回のように芸術を爆発させていたら身が持たないと言う人がほとんどだろう。実際私も会社などで本当はこうだと思っていても、周囲の空気を読んで発言しなかったり、その場に合わせた発言をすることはよくある。現実世界で岡本のように行動するのは大変難しい。ではどうすれば良いか。私の中での答えは、少なくとも人生における重要な局面、就職や結婚など長期に渡り自分の人生に影響を及ぼすような選択は、自分の心に問いかけ、自分の心の声を聞き、世間体など気にせずに、素直に心の声に従い行動することを心がけるということである。自分の心に従って自分で決断したという点が大変重要なのである。そうすれば例えその決断の結果うまくいかなかったとしても、その人は自分の人生に責任を持っているのでまた一からやり直せる。結果はどうであれ自分の内なる炎を燃やすことが大事なのである。日々そのように自分の心の中の炎を燃やして生きていけば、生きがいは必ず生まれてくるし、人生を楽しく生きていけるはずである。
好きこそ幸せに生きる上手なれ
(出典)PanasonicのHP
「好きこそものの上手なれ」という言葉をご存知でしょうか?
意味は、「好きなことは一生懸命取り組み、工夫したり勉強したりするのでおのずと上達する」、「好きであることが、上手になるためのよい条件になる」ということのたとえです。
今までの人生をいろいろ振り返ってみても、確かにその通りだなと思う。
中学に入って、これまでバレーボールなんてやったことがなかったのに、何か面白そうだと思いバレー部に入った。最初の頃は、練習はきつかったし、先輩も怖かったし、バレーも当然あまりうまくなかったので、あまり楽しいとは思わなかった。だけど、コツコツと練習し上手くなっていくうちに、人より上手いことへの喜びや、自分が成長しているという実感があり、だんだんとバレーをやるのが楽しくなってきた。
バレーが楽しくなってくると、どうすれば上手くなるのか自分で考えるし、バレーが上手いことで女の子からモテたりもして、もっと頑張るようになり、その結果、さらに上手くなる。
ただ、何をやるにもそうなのだが、好きになるまでの最初の期間は努力がいるし、苦労も尽きないものである。しかし、一度好循環に入れば、どんどんうまくなっていくものである。
Panasonicの創業者である松下幸之助は、仕事の心得として、「まず好きになる」ことの重要性を述べている。
商売を繁栄させたいと思えば、まず商売にみずから興味を持ち、好きになることです。好きになれば努力することが苦にならない。むしろ楽しくなる。そしてただお義理や飯のタネにするために事を運ぶというのではなく、誠心誠意それに打ちこむ。そこにこそ繁栄への一つの道があると思います。
出典『松下幸之助一日一話』
このことは、人生を幸せに生きるということにもつながっていると思う。何が言いたいのかというと、生きていて、日々やっていることを嫌々やっているよりも、好きになってしまった方が人生が楽しくなるし、幸せだということである。
最近は、仕事はお金を得るための手段と考えて、割り切って仕事をする人ご多いけれど、ぼくからするとそれはかなりもったいないなと思ってしまう。
そんな楽しんでやるような仕事じゃないんだよという反論が返ってくるかもしれないが、「好きなる=楽しくなる」ための努力というのはやはり大事だと思う。人生の三分の一を費やしている仕事を嫌々やってるのはやはりもったいない。
仕事を例にしたけれども、人生で多くの時間を割くことは好きになっておいた方が、人生を幸せに生きることができると思う。
だから、皆さんにこのように言いたいのである。「好きこそ幸せに生きる上手なれ」と。
皆さんが、好きなことをどんどん増やして、彩りのある人生を送れることを切に願います。
何事も「バランス」が大事
引っ越しなどでバタバタしていたこともあり、前回の投稿からかなり時間が空いてしまいました。
本日は、当たり前のことですが、最近改めて大事だなっと思ったので、”何事も「バランス」が大事”ということについて記載したいと思います。
伝えたいこととしては、与条件によってとるべきアプローチは変わるのだから、状況を見つつバランスをとりながら最善の行動をするべきだよねだということです。以下の①、②、③は例です。
①食事の取る量について
一般的には、栄養のあるものをたくさん食べた方が良いとされていますが、自分がどういった体型かなどによって取る量を調節すべきです。
痩せている人であれば、たくさん食べた方が良いですし、太っている人であれば、逆に食べる量を減らす必要があります。
②得られた収入の使い道について
一般的には、得られた収入は、なるべく貯金したり、投資したりして将来に備えた方が良いとされていますが、そればかりに注力しすぎてしまうと、今を楽しめない可能性があります。
好きなものを買ったり、娯楽につかったりして、今を楽しむと言う視点も重要です。
自分の状態(収入はどれくらいか、謝金はあるか、資産はどれくらい持っているかなど)を踏まえ、将来への備えと、自分の楽しみとのバランスを見ながら賢くお金を使っていく必要があります。
③大人の男性のファッションについて
夏は暑いので短パンを履くこともありますが、短パンを履くとカジュアルになり過ぎるので、上はキレイ目のシャツを着るとか、靴はローファーなどの革靴を履くとか、フォーマルなアイテムを取り入れるとバランスが取れてオシャレになります。
フォーマルなアイテムばかりの場合は、カジュアルなアイテム(例えばスニーカーなど)を一つ取り入れてバランスを取ると良い。
オシャレには、フォーマルなアイテムとカジュアルなアイテムのバランスが大事です。
このように、与条件により取るべき最善の行動は変わるので、状況を見ながらバランスを見てアプローチすることが重要です。
何かに熱中している人や、今一つのことを頑張ってる人などは、心の片隅に留めておくと良い視点だと思い記載しました。
やる気はないけど、能力が高い人がリーダー向き?〜モルトケの法則〜
「モルトケの法則」をご存知でしょうか?
先日何気なく同僚と話していた時にとても興味深い話を聞いたので紹介します。
<同僚との会話>
ドイツの軍人だったモルトケって人がいるんだけど、その人が考えた「モルトケの法則」って知ってる?
いや、知らない。
「やる気」、「能力」の2軸で高い低いがあるとして、一番リーダーに向いているのはどういう人だと思う?
それはやっぱ、やる気があって能力が高い人なんじゃない?
それが違うんだよ。あくまでも軍隊での話なんだけど、リーダーに向いているのはやる気がなくて能力が高い人みたいだよ。
そうなんだ〜。意外だな。
やる気がないけど能力が高い人は、どうしたら余計な労力をかけずに成果を出せるかをよく考えるのでリーダーに向いているみたいだよ。やる気があって能力が高い人は、現場の指揮官みたいなのが向いているんだって。
ヘぇ〜。でもなんとなくわかる気がする。
逆にやる気がなくて、能力も低い人は、現場の兵隊みたいなのが向いているみたいだよ。じゃあ、やる気があるけど能力が低い人はどんな役割が向いていると思う?
うーん・・・、もしかして何もしない方が良い?
正解!やる気があるけど能力が低い人は、間違った方向に行動するので軍隊にとってはマイナスでしかないみたいだよ。すなわち何もしない方がマシってこと。
確かに(かなり納得)。会社の中でも空回りしちゃってる人いるよね。
この同僚との会話で知った「モルトケの法則」は、会社組織の中でも当てはまるなと妙に納得してしまいました。
そこで、そもそも「モルトケの法則とは何か」と、「モルトケの法則を知って考えたこと」についてあ紹介したいと思います。
本記事の内容
モルトケの法則とは
モルトケ(Helmuth Karl Bernhard Graf von Moltke,1800年10月26日〜1981年4月24日)は19世紀のプロセインの軍人です。参謀という職種を確立した功績で軍事学上知られており、我が国にも日露戦争に関連して影響を与えた人物です。
モルトケは人材を「やる気」と「能力」の2つの観点から4つの類型に分類しました。
下図の通り、「やる気」のある/なし、「能力」の高い/低いからなる2次元のマトリックスです。
そして、モルトケは組織にふさわしい人材は「やる気のない、能力の高い人材」と考えました。
その理由は、「やる気のある、能力の高い人材」は自発的に課題や問題を考え、解決に向かって行動するので、上位者の指揮命令が有効に実施されないということでした。
これを「モルトケの法則」と言います。
この考え方は、あくまでも軍隊において優秀な人材とは何かということを考えたものだということに留意は必要です。
軍隊においては、少しの判断ミスが、多くの人の命に関わるので、そういったミスが許されない過酷な状況下での当てはまる法則だと考える必要があります。
分類①やる気なし、能力高い(LM _HA人材)
適正:組織の経営者(軍の参謀)
分類②やる気あり、能力高い(HM_HA人材)
適正:現場のマネージャータイプ(軍の司令官)
分類③やる気なし、能力低い(LM_ LA人材)
適正:平社員(兵隊)
分類④やる気あり、能力低い(HM_ LA人材)
適正:何もしない方が良い(役立たず)
モルトケの法則を知って考えたこと
一般論で考えると、やる気がなくて能力が低い人は、どうしようもなくて救いようのない人のように思えます。
しかし、上司から指示されたことは、淡々と可もなく不可もなくこなすという点では組織の中では役に立つ存在なのかもしれません。
簡単だけどやらなければいけない仕事は組織の中には山ほどあります。
一方、やる気はあるけど、能力が低い人は、やる気があることが救いのような気がしますが、能力が低い故に考えて行動したことが間違っていて、周りの人に迷惑をかけたりとマイナス要因になることも認識しておく必要があります。
やる気があるというのは、どんな場合も「善」という良いイメージがありましたが、必ずしもそうではない場合があると思いました。
やる気があって物事を進めようと熱くなっている時こそ、少し冷静になって客観的に物事を考えて、「これをやったら他の人にどのような影響が出るのだろうか」と一歩立ち止まって考えて行動することが重要だと思いました。
あとは、「モルトケの法則」は軍隊において当てはまる法則なので、現在の会社組織では当てはまる条件下とそうでない場合があるということです。
現代の会社組織においては、社会が複雑化・多様化していますので、当てはまる条件というのは少ない気がしますが、事件・事故や災害対応などの非常時では「モルトケの法則」が当てはまるのかなと思いました。
参考文献
マルチエージェントシミュレーションによる”モルトケの法則”の有効性検証(帝京平成大学 磯部 大)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasmin/2017f/0/2017f_313/_pdf/-char/ja
「『辞める人・ぶら下がる人・潰れる人』さて、どうする?」組織が抱えている課題(組織の病巣)を改善に導く「指南書」
産業医・経営コンサルタントであり、「組織の病巣を見抜くプロ」である著者「上村紀夫」さんが書いた「『辞める人・ぶら下がる人・潰れる人』さて、どうする?」という本についてご紹介します。
- 離職が相次ぎ、採用にも苦戦。慢性的に人手不足
- みんな、心身ともに疲れが溜まっている。休職者も発生
- 職場の雰囲気が良くなく、人間関係のトラブルが勃発
- やる気がないが離職もせず、組織にぶら下がっている人がいる
- 「給与や待遇が不公平」「配属に納得できない」など、不満の声が多い
- 通常業務と教育・管理業務の並行で、マネージャー層が疲弊
著者の上村さん曰く、これらのうち、1つでも当てはまったら要注意!
あなたの組織は”病”に犯された状態だそうです。
この本は、組織が抱えている様々な課題(組織の病巣)を改善に導く「指南書」です。
『組織の病巣』が発生する原因が「マイナスの感情の蓄積」であるというメカニズムを理解し、『組織の病巣』を最も効率よく取り除くための「ターゲティング戦略」(対応すべきターゲットを絞ることで、効率よく組織課題を解決する方法)を学ぶことができます。
- 「会社を良くしたい」と切実に思う経営者や人事担当者
- 「チームに活き活きとした雰囲気をもたらして生産性を上げたい」と思っているマネージャー・チームリーダー
- 「自分や身近な人のココロが組織から離れている」と感じている人
などにおすすめの1冊です。
この記事では、本を読まなくても、組織課題の原因となる「マイナスの感情」の発生メカニズムと「組織課題を改善する方法」の概要がわかるようポイントを絞ってご紹介させていただきますので、ぜひご覧ください。
1.組織の課題を生み出す原因は「マイナスの感情の蓄積」
(1−1)マイナスの感情の発生原因
私たち個人が抱える、「あきらめ」、「落ち込み」、「疲労」、「不安」、「虚しさ」、「妬み」、「怒り」といったマイナス感情は、どのように発生するのでしょうか?
例えば、わかりやすいのは給料の金額です。
ある人が会社に求める対価が「30万円」だったとして、実際に会社から得られる対価が「26万円」だとしたら、その差の「4万円」こそがマイナス感情発生の原因となります。
「もっと貰えてもいいのに」といった不公平感、「給料、今年も上がらなかった」と言った虚しさがマイナスの感情です。
- 給与はこれぐらい欲しい
- 仕事の量や時間は、これぐらいがちょうどいい
- 雑談が多くて和気あいあいとした職場環境がいい
誰もが会社や職場環境に何かを求めて仕事をしています。
ただ、現実には、何もかも社員の望み通りにはいきません。
社員が求めているものよりも、会社が与えているものが少ないことがあります。
反対に、社員が求める以上のものを、会社が与えていることもあります。
社員が求めるものと、会社が与えられるレベルの「差」がマイナス感情発生の要因となります。
それでは、社員が求めるものと、会社が与えられるレベルの「差」はなぜ発生するのかというと「労働価値」という概念がポイントとなってきます。
「労働価値(仕事に何を求めるか)」は人それぞれ異なり、どのような労働価値を持っているかによって、仕事に関する様々事象に対し、プラス感情を抱くか、マイナス感情を抱くかが変わってきます。
社員の労働価値と会社が提供できる労働価値にミスマッチの状態だと、マイナスの感情が発生しやすいと言えます。
会社側の視点で考えると、採用した学生が離職するリスクを少しでも減らしたいのであれば、労働価値が一致するまたは近い学生を採用することが重要と言えます。
労働価値と離職の関係については、以前のブログで記載しているので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
(1−2)マイナスの感情の発生対象は「個人活性3要素」
「心身のコンディション」、「働きやすさ」、「働きがい」は、「個人活性」と言い、この3要素は人が活き活きと働けるかどうかを決めています。
「個人活性3要素」はピラミッド構造となっており、根底にある心身コンディションがグラつくと、働きやすさ、働きがいも崩れるように、1つダメージを負うと他の要素も影響を受けます。
マイナス感情が蓄積し、個人活性3要素のバランスが崩れると、離職やメンタルダウン、やる気の低下などの問題が発生します。
逆に言えば、この個人活性3要素がバランスよう満たされている社員は、快適な職場で、元気に、前向きに仕事ができていると言えます。
蓄積による問題を深刻化させないためには、個人活性3要素のどこが痛み、他の要素にどのように影響し、問題がもたらされたのか、蓄積プロセスを理解することが重要です。
(1−3)離職は全てが「悪」というわけではない
離職には大きく分けると以下の5タイプがあります。
個人活性3要素が影響する離職
積極的離職:自分の希望を叶えるための離職
消極的離職:今の環境から逃れるための離職
離 脱:心の健康の悪化で働けなくなること
その他の離職
自己都合 :家族の転勤、出産育児などライフイベントによる離職
会社要因 :解雇、退職勧奨、整理解雇による離職
個人活性3要素と離職タイプの関係をまとめると以下のようになります。
○積極的離職
「働きがい」が傷んでくると、発生リスクが増加。さらなるやりがいを求めて次の会社に「ステップアップ」していくという離職。
○消極的離職
「働きやすさ」が低下していくと、発生リスクが増加。「もうこの職場では働きたくない」という「現状からの回避」としての離職。
○離脱
「心身コンディション」の悪化が起きると、発生リスクが増加。メンタルダウンや身体疾患などにより休職や退職せざるを得なくなること。
「働きがい」が低下し、「働きやすさ」ばかり向上した場合に起きやすくなる『消極的定着』=『ぶら下がり』は、組織活性を低迷させ、ますます会社をダメにしていくので、なるべく防止する必要があります。
しかし、離職はすべて「悪」というわけではなく、「誰が」、「どんな」理由で離職しているかを踏まえ対策を打つことが重要です。
離職ゼロを目指すのではなく、離職最適化を目指すというのが正解です。
むやみに「働きやすさ」を追求せず、自社が求め、大事にしていきたい人物像を明確にし、その人材が「働きやすく」かつ「働きがい」を持つことができる職場を目指すべきです。
2.組織の病巣を取り除き組織を改善に導く施策
(2−1)より良い組織に導くための方向性
より良い組織にするためには、現状の組織活性がどうなっているかを把握し、「心身コンディション・働きやすさ・働きがい」の 3 要素のバランスを保つための施策を講じることが重要です。
プラスの感情を発せさせる施策の効果は一時的であるため、マイナスの感情に着目し施策を実行することがポイントです。
(2−2)ターゲティング戦略
前述の通り、何に「マイナスの感情」を抱くかは部署や職員、個人的な背景など様々な要因に左右されるため、幅広い対象をカバーした施策は、全員に対して有効的に機能しません。
組織課題を最も効率よく取り除くためには「ターゲティング戦略(対応すべきターゲットを絞ることで、効率よく組織課題を解決する方法)」が有効です。
組織戦略を実施する際には人材のセグメンテーションを行い、「どの人材のセグメントのマイナス感情を解消すると、効率よく会社的にプラスの効果が伝染するか」を検討し、取り組みの順番をしっかり設定していくことが重要です。
この本では、離職対策の際、最優先すべき人材セグメントは「ハイポテンシャル人材(3〜5年度に優秀人材になるであろう20代後半〜30代中盤の若手社員)」と記載されています。労働価値が比較的固まっていて対策が練りやすい上、優秀人材の穴埋めや、立ち上がり人材の身近なモデルケースにもなりうるというのが理由です。
実際に、各会社で組織課題の改善施策について検討する際には、検討課題が「離職」であれば、どういった属性の社員がどのような理由で離職したのか「離職マップ」を作成し、「会社のタイプ」を特定そした上で、どの層にターゲットを絞って施策を実施していくかを検討する必要があります。
3.まとめ
- 組織の課題を生み出す原因は「マイナスの感情(不満や不公平感)の蓄積」。社員が求めるものと、会社が与えられるレベルの「差」がマイナスの感情を発生させる。
- 「労働価値(仕事に何を求めるか)」は人それぞれ異なり、どのような労働価値を持っているかによって、仕事に関する様々事象に対し、プラス感情を抱くか、マイナス感情を頂くかが変わってくる。
- マイナスの感情の発生対象は、「個人活性3要素」心身コンディション・働きやすさ・働きがいの3つに分けられる。これらの3要素が「人が活き活きと働けるかどうか」を決めている。
- 離職はすべて「悪いこと」というわけではなく、「誰が」、「どんな」理由で離職しているかを踏まえ対策を打つべきである。
⇒ 離職ゼロを目指すのではなく、離職最適化を目指す。 - より良い組織にするためには、現状の組織活性がどうなっているかを把握し、「心身コンディション・働きやすさ・働きがい」の 3 要素のバランスを保つための施策を講じることが重要。
⇒ プラスの感情を発せさせる施策の効果は一時的であるため、マイナスの感情に着目し施策を実行することがポイント。 - 前述の通り、何に「マイナスの感情」を抱くかは部署や職員、個人的な背景など様々な要因に左右されるため、幅広い対象をカバーした施策は、全員に対して有効的に機能しない。
- 組織課題を最も効率よく取り除くためには「ターゲティング戦略(対応すべきターゲットを絞ることで、効率よく組織課題を解決する方法)」が有効。
この記事では、ポイントを絞ってお伝えいたしましたが、実際に本を読んでもらうと、どの離職タイプが多いかによって会社ごとにタイプを分類し、その会社タイプごとの改善施策の方向性などがより詳しく記載されています。
もっと詳しく組織課題の改善方法について知りたい方はぜひご覧ください。
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「リーダーシップ」の重要性
「リーダーシップを発揮して」という言葉をよく聞くけど、どういう意味があるんだろう?「リーダー」と聞くと何となくみんなを引っ張っていくイメージかな。
こんな風に考えている考えている人は多いのではないでしょうか?
「リーダーシップ」とよく混同する言葉に「マネジメント」があります。
この2つは同じようなイメージを持っている人も多いですが、実際は大きく意味が異なります。
スティーブン・R・コヴィー博士の「完訳 7つの習慣 人格主義の回復」を参考に、「リーダーシップ」と「マネジメント」の違い、「リーダーシップの重要性」について解説したいと思います。
「7つの習慣」は、全世界4,000万部、国内240万部を超え、今も読み続けられるビジネス書です。
「リーダーシップ」と「マネジメント」の意味
リーダーの役割は、物事を俯瞰的に見て、組織・チームが目指す目標(ゴール)を示すこと。
マネージャーの役割は、目標を達成するための効率的な手段を検討し、実行すること。
「リーダーシップ」と「マネジメント」の具体例
これまでの説明ではまだ「抽象的でわかりにくい」とういう方もいると思いますので、具体例を使って説明させていただきます。
例えば、「リーダー」、「マネージャー」を含む5名のチームが、水分を補給するために水場を探すというシチュエーションを考えてみてください。
この時、森の中の高い丘の上から全体を見渡し、「目的地(目標)=水場」を指し示すのが「リーダー」の役割です。
リーダーは、正しいゴールを部下に指し示さなければならないので、部下と同じ目線に立っていてはいけません。また、未来に向け長期的視点に立って、正しい目的地を決め、部下たちに示す必要があります。
一方、マネージャーの役割は、「目的地(目標)=水場」に効率的に到達するための手段を検討し、実行することです。
<マネジメントの例>
もし、この時にリーダーが指し示す目的地が「岩場」だったらどうなるでしょうか?
いくら優秀なマネージャーがいて、「岩場」まで効率的に早く到達できたとしても、何の成果もあげることはできません。
部下は一生懸命頑張っているけれども、そもそも目標が間違っているため、成果が上がっていないというのは、会社などの組織でよく起こっている現象だと思います。
目標(目的地)を決めるリーダーの役割は、成果をあげる上で何よりも重要だと言えます。
正しいと思うことを実行できる『強い心』
永松茂久さんの著書「影響力」の中で好きな一説がある。
「自分の信じる王道をサイのように進め」
楽したり、逃げようとしたりする『弱い心』を置いて、王道である真ん中を歩こうという著書のメッセージが込められた言葉である。
確かにそうだなっと思う。そして、このように行動できればみんなうまくいくんだろうなっと思う。
「健康に生きること」の「王道」は、
一. バランス良く食事をとること
ニ. 十分な睡眠をとること
三. 適度な運動をすること
だと誰もが心の中ではわかっている。
でも、ついつい夜youtubeとか見て夜更かししちゃうんだよなぁ。
神様、「正しいと思うことを実行できる『強い心』を僕にください」と願う今日この頃です。