インハウスエンジニアの部屋

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彼を知れば百戦殆うからず

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 (出典:pixabay)

 

今から約二千五百年前という大昔に書かれた孫子という「兵法書」がある。作者は、斉の国の出身で、呉王の闔閭(こうりょ)に従えていた孫武である。

 

孫子は、時代やジャンルを超えて、ビジネス界をはじめ様々な人々の座右の書となり続けている名著である。

 

その中にある数々の名言の中でも、下記の言葉は特に有名である。

私もこの言葉が一番好きである。

 

彼を知り、己を知れば、百戦して殆うからず 

(意味)

 彼を知り、己を知るならば、絶対に敗れる気づかいはない。

 

戦争などにおける兵の用い方を記載した「兵法書」の中にある言葉なので、当然、「彼」というのは戦で対峙している「敵(ライバル)」のことを指しているのだが、ビジネスの世界において、上司への対応を考えた場合にも、この言葉はとても有用である。

 

例えば、自分の企画立案した事業内容を上司に説明し、了承を得なければならない場面を想定してもらいたい。 この場合の「彼」は「上司」であり、「勝利」とは「上司に事業内容を説明し了承してもらうこと」である。

 

そのような場合、「彼を知る」とは、「上司の考え方・傾向などに留意」することであり、それを踏まえて、資料を作成し、上司への説明に臨めば「勝利」できる可能性が上がるということである。

 

【上司の考え方・傾向(例)】

  • 短期なので長い説明を嫌う
  • 説明資料は簡潔でわかりやすい資料を好む
  • 事業内容については予算確保と進捗管理を重視する
  • 機嫌が良い時と悪い時の差が激しい

 

【戦略(例)】

  • 簡潔でわかりやすい資料を作成
  • 説明においては、予算確保と進捗管理について、バックデータなど根拠を踏まえて丁寧に説明する
  • 同僚などに上司の機嫌の良し悪しの状況の探りを入れた上で、機嫌の良いタイミングで説明に望む

   ※もちろん、己(自分)については当然よく知ったうえで、臨むことが求められる。

 

このように、ビジネスにおいては、日々出現する様々な「彼(敵)」をよく知った上で、戦いに臨めば「勝利(成功)」する場面が増えるはずてある。ぜひ、ビジネスの場面でもこの言葉を心に留めて実践していただきたい。